[口の中の不快感が警告する健康リスク]専門家が解説する見逃せないサイン
『第28回日本口腔顔面痛学会学術大会』,オンデマンド配信を聴講しました。
教育セミナー2「Red Flagを探せ!」では、歯科に受診することの多い下記の主訴について、見逃してはならない疾患について学ぶことができました。
①食事をすると顎が疲れて痛い
⇒「巨細胞性動脈炎」
眼への動脈に障害をきたすと失明に至る可能性があります
②左あごの激痛
⇒「顎関節ガングリオン」
ガングリオンは中ににゼリー状の物質の詰まった腫瘤
無症状なら、放置しても心配はありません
③右上奥歯あたりが痛くなる
⇒「内頸動脈解離」
56%に脳梗塞を発症します
④口が開けられない
⇒「中咽頭腫瘍」
口を開けるための筋肉を侵すことがあります
⑤口が開かない
⇒「破傷風」
筋肉のこわばりや痙攣、呼吸障害などをきたします
⑥歯肉がしびれている
⇒「翼口蓋窩腫瘍」
翼口蓋窩は上顎後方部位に存在し、口に分布する神経、血管が通っています
神経が侵されることで感覚障害や疼痛を認めることがあります
⑦痛くて、咬み合わせられず、物が咬めない
⇒「髄膜癌腫症」
がん細胞が脳および脊髄の軟膜やくも膜に広がり、がん患者の4~15%に認められます
75%に脳神経症状がみられ、視力低下、複視、難聴、顔面神経麻痺が見られることが多いです
■まとめ
この学術大会の聴講を通じて、私たちは日常遭遇する様々な症状が、実は重大な健康問題の兆しである可能性を再認識しました。患者さん一人ひとりの訴えに耳を傾け、適切な時に専門的な診断を行うことの重要性を学びました。私たちは、患者さんが抱える痛みや不安に対して、より質の高い医療サービスを提供するために、常に最新の医療知識を学び、応用してまいります。
練馬区
はじめ歯科医院 中村橋