小児のいびきと口呼吸、そのままにしていませんか?
良質な睡眠は、口腔と全身の健康を左右する重要な要素です。『歯科医師・歯科衛生士のための 睡眠歯科医療 パーフェクトセミナー』を受講し、睡眠の質やリズム、特に小児における睡眠障害がもたらす影響について学びました。
睡眠時無呼吸症候群や口呼吸が顎や顔の成長に与える影響を知り、当院で提供できるサポートの可能性を再確認しました。
■良質な睡眠のための要素には
①睡眠の長さ
②睡眠の質
③睡眠のリズム
が、挙げられます。
①の睡眠の長さでは、7~8時間睡眠の心血管イベントのリスクを”1”とした場合、6時間未満の睡眠時間では、3倍以上になります。
②の睡眠の質を低下させる睡眠呼吸障害の有病率は5~10%で、そのほとんどは閉塞性睡眠時無呼吸です。主な症状は1)習慣性いびき、2)日中の過剰傾眠、3)窒息感を伴う覚醒、4)起床時の頭痛、5)全身倦怠感、6)性格の変化、などです。閉塞性睡眠時無呼吸の三大リスク因子は、1)肥満、2)男性、3)加齢です。
③の睡眠のリズムでは、平日と休日の睡眠時間は変わらないものの、就寝時間のズレで時差ぼけと同じ経験をしている状態です。
■小児の閉塞性睡眠時無呼吸
最近では小児の閉塞性睡眠時無呼吸が注目され、その発症率は2%といわれています。
その症状は、いびき,夜間の発汗,朝の頭痛,集中困難などで、合併症としては、学習または行動障害,成長障害などがあります。
閉塞性睡眠時無呼吸を疑う症状として、いびきと口呼吸があります。口呼吸の原因として、1)鼻閉、2)アデノイド増殖、口蓋扁桃肥大、3)アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎などがあり、口呼吸を改善する、アデノイドや肥大した口蓋扁桃を摘出することで閉塞性無呼吸が改善し、いびきの改善が85.2%にみられ、77.8%がよく食べるようになった、とのことでした。
小児の鼻呼吸障害による口呼吸は、顎・顔の成長に悪影響を与え上顎の劣成長や下顎の後退をきたし、正常な嚥下・咀嚼機能の獲得ができなくなる、とのことでした。
■まとめ
今回のセミナーを通じ、睡眠の質を向上させることが口腔や全身の健康に密接に関連していることを改めて実感しました。
特に小児の口呼吸による影響は、早期に改善することで健康な成長を促進できる可能性があります。
当院では、睡眠や口腔機能に関わるお悩みにも対応し、より良い健康維持をサポートしてまいります。お気軽にご相談ください。
練馬区
はじめ歯科医院 中村橋