口腔外科専門医 はじめ歯科医院 中村橋練馬区 日本歯科大学新潟病院口腔外科臨床講師 日本口腔外科学会専門医

はじめ歯科医院

朝起きて顎が疲れる…それは睡眠中の歯ぎしりかもしれません

先日、「日本睡眠学会第49回定期学術集会」のオンデマンド配信を聴講しました。
今回は、睡眠と歯ぎしり・噛みしめ(ブラキシズム)の関係について学びました。

睡眠とブラキシズムとは?

ブラキシズムとは、睡眠中に歯を強く噛みしめたり、ギリギリと歯ぎしりをしてしまう状態のことです。国際的な診断基準では「睡眠関連運動異常症」に分類されており、実は多くの方にみられる身近な現象です。
しかし、放置すると歯がすり減る・欠ける・割れるだけでなく、顎関節や首・肩の不快感、頭痛などを引き起こす場合もあります。

歯科関連の睡眠障害とは?

ブラキシズムだけでなく、「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」や「あごの関節に関わる顎関節症」など、歯科とも深く関わる睡眠障害があります。これらは互いに関連し合い、同時に起こることも少なくありません。

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠中に一時的に呼吸が止まってしまう病気で、強いいびき、日中の強い眠気、集中力の低下などを引き起こします。重症化すると心臓病や高血圧、脳梗塞などのリスクを高めるため、早期発見と治療が大切です。

顎関節症とは

「あごが痛い」「口が開けにくい」「あごを動かすと音がする」といった症状が代表的で、かみ合わせや歯ぎしり、生活習慣などが関与します。悪化すると食事や会話にも支障が出るため、早めの相談が望まれます。

■なぜ歯ぎしりは起きるのか?
睡眠時ブラキシズム(歯ぎしり・噛みしめ)の明確な原因は、まだ解明されていません。近年の研究では「脳の働き」が大きく関係しているとされ、睡眠の質や生活習慣、ストレスなどが複雑に影響していると考えられています。

歯医者でできることは?

「歯ぎしりを完全にやめさせることはできるのか?」という質問をよくいただきますが、現時点では“歯ぎしりそのものを無くす方法”はありません。
そのため、歯科で行うのは対症療法(症状や影響への対応)が中心になります。具体的には、
・マウスピース(ナイトガード)で歯を守る
・歯や顎関節に負担が集中しないよう調整する
・必要に応じて生活習慣の改善を一緒に考える
といった方法です。

歯ぎしりや噛みしめは「癖」ではなく、「脳と睡眠」に関わる複雑な現象です。だからこそ、歯や顎を守るためのケアがとても大切です。

まとめ

睡眠とブラキシズム(歯ぎしり・噛みしめ)の研究はまだ発展途上ですが、確実にいえるのは「歯科が関わることで守れる部分がある」ということです。
「朝起きると顎が疲れている」「歯ぎしりを指摘された」「歯がすり減ってきた」など気になる症状がある方は、ぜひ当院へご相談ください。

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