新しい歯科用局所麻酔薬「アルチカイン」を正しく理解するために
― セミナー受講を通じて再確認した、安全な歯科治療の考え方 ―
この度、『新しい歯科用局所麻酔薬「アルチカイン」を正しく理解するために』と題した歯科医師向けセミナーを受講しました。
歯科治療では、痛みを伴う処置を安全に行うために局所麻酔は欠かせません。そのため、確実に効き、かつ身体への負担ができるだけ少ない麻酔薬を選択することが非常に重要になります。
本セミナーでは、薬事承認を受け発売された歯科用局所麻酔薬「セプトカイン配合剤カートリッジ(アルチカイン製剤)」について、基礎から臨床での考え方まで詳しく学びました。
アルチカインは、従来から使用されてきた歯科用局所麻酔薬と比べ、
・麻酔効果が得られやすい
・効果の発現が比較的早く、必要な時間しっかり持続しやすい
・体内で速やかに代謝されやすい性質を持つ
・止血などを目的として添加されるアドレナリン量が比較的少ない
といった特徴を持つ麻酔薬です。
患者さんにとって「麻酔薬の違い」とは?
患者さんから見ると、
「どの麻酔薬も同じでは?」
と感じられるかもしれません。
しかし実際には、治療内容・治療時間・全身状態(持病や服薬状況など)によって、適した麻酔薬は異なります。
たとえば、
・麻酔が効きにくかった経験がある方
・治療時間が比較的長くなる処置
・心臓や血圧のご病気があり、アドレナリン量に配慮が必要な方
などでは、麻酔薬の選択が治療の快適さや安全性に影響します。
症例ごとに麻酔薬を選ぶとはどういうことか
「症例ごとに適した麻酔薬を選択する」というのは、
誰にでも同じ麻酔を使うのではなく、その方の状態に合わせて最も負担が少く、安全に治療を行える方法を考えるということです。
これは、
・痛みをできるだけ感じにくくする
・治療中の不安やストレスを減らす
・治療後の体調変化を起こしにくくする
といった点につながります。
適していない麻酔薬を使用した場合に考えられること
もし、その方に適していない麻酔薬を使用した場合、
・十分に麻酔が効かない
・動悸や不快感が出る
・治療中の負担が大きくなる
といった可能性が考えられます。
もちろん、歯科用局所麻酔薬は安全性を考慮して使用されていますが、だからこそ「どれを使うか」を慎重に判断することが大切だと、改めて認識しました。
はじめ歯科医院 中村橋として再確認したこと
今回のセミナー受講を通じて、はじめ歯科医院 中村橋ではあらためて、
・患者さんの全身状態や治療内容を十分に確認すること
・必要に応じて麻酔薬の種類や使い方を検討すること
・「痛みを抑える」だけでなく「身体への負担を抑える」視点を大切にすること
この姿勢を再確認しました。
今後も、症例ごとに適した麻酔薬を選択し、患者さんが安心して治療を受けられる歯科医療を心がけて診療に取り組んでまいります。
麻酔や治療についてご不安な点がありましたら、どうぞ遠慮なくご相談ください。

練馬区 口腔外科専門医
はじめ歯科医院 中村橋


































