歯が原因ではない歯痛
歯痛の原因として多いのは、虫歯や歯周病などの歯科疾患ですが、歯以外に原因があることもあります。
歯以外に原因がある(非歯原性歯痛)とは
「歯や歯ぐきに原因がないのに歯に痛みを感じる状態」を非歯原性疾患と呼びます。
歯科疾患の治療法とは大きく異なるため、抜歯などは全く意味がないので注意が必要です。
今回、日本口腔顔面痛学会主催の「口腔顔面痛ベーシック WEB セミナー2023」を聴講しました。
歯科領域における疼痛は、歯が原因の歯原性歯痛だけでなく、歯が原因ではない非歯原性歯痛があります。
歯原性、非歯原性の鑑別が重要で、適切な診断ができなければ不要な処置が施されることになり、症状を改善することもありません。
非歯原性疼痛には様々な原疾患があり、その特徴的症状を下記に示します。
①筋・筋膜疼痛:咬筋、側頭筋の圧痛と関連痛
②神経障害性疼痛 発作性:トリガーゾーン刺激による発作痛
③神経障害性疼痛 持続性:疼痛部周囲のallodynia等の知覚異常
④神経血管性:片頭痛、群発頭痛の同時発生
⑤上顎洞、鼻腔性:鼻症状、上顎複数歯の打診、振動過敏
⑥心臓性:運動、労作性歯痛、胸部痛、不快感
⑦精神疾患・心理的社会的:身体表現性障害の診断基準
⑧特発性:明らかな原因が見つからない
以上より、適切な診断が非常に重要で、そのためには細かな症状の把握が重要であることを再認識しました。
練馬区
はじめ歯科医院 中村橋