顎関節疾患の深層解析:基本治療から複雑症例への対応
第59回・第60回教育研修会(口腔四学会合同研修会)にオンデマンドで開催され参加しました。
主題は『顎関節疾患を深考する』と題して
1.顎関節症の基本治療(非外科的治療と外科的治療)
2.顎関節症と鑑別を要する疾患
3.顎関節症と鑑別を要する他科領域疾患
4.骨・軟骨系悪性腫瘍(軟骨肉腫、骨肉腫など)への対応
5.習慣性顎関節脱臼への対応ー関節隆起切除術の術式と周期性管理を中心にー
6.人工TMJによる顎関節再建
7.顎関節の画像診断、MRIを中心に
8.顎関節疾患に関する病理
9.インプラント治療から派生する顎関節異常
の各演題を聴講しました。
一般開業で、顎関節の異常を訴えた症例に遭遇することは多く、診断が非常に重要です。
顎関節症の3大症状*1は
1)顎関節および咀嚼筋など(特に咬筋、側頭筋)の疼痛
2)顎関節の雑音(クリッキングまたはクレピタス)
3)開口障害ないし顎運動異常
です。
これ以外の症状を認める場合、顎関節を含む周囲の腫瘍性あるいは神経性疾患や中枢性疾患が疑われる場合があります。
その際、MRIや単純レントゲン写真など、画像診断が重要となります。
この度の研修で、顎関節疾患に対する診断、治療へに対応法をアップデートできました。
*1 顎関節症の3大症状について、わかりやすく説明します。
1.顎関節および咀嚼筋の疼痛: 顎を動かす際や安静時にも感じる痛みで、特に咬筋や側頭筋などの筋肉に生じます。日常生活での顎の使い過ぎやストレスが原因で起こりやすい状態です。
2.顎関節の雑音(クリッキングまたはクレピタス): 顎を動かす時に「カクカク」とした音がする症状で、顎関節の位置や形状の異常が原因で起こります。これは関節の構造が正常ではないことを示している場合が多いです。
3.開口障害ないし顎運動異常: 顎を大きく開けにくい、または側方に動かしにくい症状を指します。顎関節周りの筋肉や関節自体の問題により、顎の動きが制限されます。
これらの症状は、日常生活に支障をきたすことがありますので、早めに相談することをお勧めします。
練馬区
はじめ歯科医院 中村橋