口腔外科専門医 はじめ歯科医院 中村橋練馬区 日本歯科大学新潟病院口腔外科臨床講師 日本口腔外科学会専門医

口腔外科医にとっては重要な組織「鼻腔と副鼻腔」

『鼻腔と副鼻腔*1の基本構造と役割』をweb受講しました。
鼻腔と副鼻腔は、口腔顎顔面*2に隣接する組織で、われわれ歯科医師、特に口腔外科医にとっては重要な組織です。
歯および口腔領域から発現した疾患が鼻腔・副鼻腔に進展*3したり、鼻腔・副鼻腔原発の疾患が顎口腔領域を侵したりする*4ことがあります。
そのためには解剖を理解することが非常に重要です。
この度のセミナーで、正常な解剖と機能を再確認することができました。

*1 鼻腔と副鼻腔は、私たちが呼吸する空気の通り道として機能し、空気を温めたり、湿らせたり、清浄化したりする役割を持っています。副鼻腔は、鼻腔の周囲にある空洞で、この空間は鼻腔とつながっていて、鼻を通じて呼吸する空気の質を改善するのを助けます。

*2 口腔顎顔面とは、口の中と、顔と顎の構造を指します。この部分は食事をするために食べ物を咀嚼し、味わい、そして言葉を話すために不可欠です。

*3 「歯および口腔領域から発現した疾患が鼻腔・副鼻腔に進展」とは、歯や口の中で起きた問題が、それらが密接につながっている鼻や副鼻腔へと影響を及ぼし、そこにも疾患を引き起こすことを意味します。例えば、歯根尖周囲炎が副鼻腔炎を引き起こすことがあります。

*4「鼻腔・副鼻腔原発の疾患が顎口腔領域を侵す」とは、鼻腔や副鼻腔で始まった病気が、その周囲の領域、特に顎や口内に影響を及ぼし始めることを意味します。例えば、副鼻腔炎が慢性化すると、その炎症や感染が近くの顎骨や歯へと広がり、歯周病や歯の根の疾患を引き起こす可能性があります。このような状況では、病気の原因が鼻腔や副鼻腔にあるにもかかわらず、顎や口腔にも症状が現れるため、全体的な診断と治療が重要になります。

口腔外科医にとっては重要な組織「鼻腔と副鼻腔」
■副鼻腔炎とは
副鼻腔炎とは、鼻の周囲にある空洞(副鼻腔)の粘膜が炎症を起こす状態です。
この炎症により、鼻詰まり、顔の痛みや圧迫感、黄色や緑色の鼻水、嗅覚の低下などの症状が現れます。
原因には、風邪やアレルギー、鼻の構造的問題などがあります。
治療法としては、抗生物質の投与、鼻洗浄、ステロイド含有の鼻スプレー、重症の場合は手術があります。重要なのは、原因に合わせた適切な治療を行うことです。
口腔外科では、この炎症が口腔、特に上顎の歯根先から副鼻腔に波及した場合に対処します。
副鼻腔炎が口腔健康に影響を与える主な理由は、上顎の歯と副鼻腔が非常に近接しているため、歯根尖周囲炎などの歯科疾患が副鼻腔へと進展しやすい環境にあるからです。

■歯性上顎洞炎とは
歯性上顎洞炎とは、主に歯の感染が原因で上顎洞(鼻の近くにある空洞)に炎症が生じる状態です。
主な症状には、顔の痛みや圧迫感、鼻詰まり、鼻水や膿、嗅覚の低下があります。
この状態は、特に根尖周囲炎や歯周病など、上顎の歯の感染症が副鼻腔に波及した場合に起こります。
治療法としては、原因となる歯の治療、抗生物質による感染管理、場合によっては副鼻腔を直接洗浄する手術が行われます。

口腔外科医にとっては重要な組織「鼻腔と副鼻腔」

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